マリと子犬の物語 B-33 70点 <邦画>
2007年 新潟県中越地震の実話を元にした絵本を映画化。
「新潟県山古志村のある一家に子犬が家族となる。子犬はマリと名付けられ、成長して3匹の子犬を生んだ。ありふれた生活に、突然、2004年10月23日、大地震が発生した」
「助けてもらったのに、置いていかなくてはいけない。仕方ない状況とはいえ、子供の犬を呼ぶ声が突き刺さる」
音楽がいい・・久石譲です。
主演の船越英一郎の演技もいいが、自衛隊の高嶋政伸が素晴らしい。
船越の父の宇津井健(もう亡くなってしまった)がマリや子供たちに勇気をもらった演技も素晴らしかった。
今は亡き、小林麻央が先生役で出演していました。
大地震は恐ろしい、家がつぶれて、孫を守るおじいさん、それを助けようとするマリ。どちらも懸命。孫の彩も父・兄を心配する、こういうときだからこそ、人間の本性が出る。
助けに来た、自衛隊。自衛隊のみなさん、ほんとにありがとう。
人は助けることはできたが、怪我の状況もあり、マリたちを置いていくことに。
マリのおかげで助かったのに、という悔しさと仕方なさが混ざったまま、ヘリを飛ばす自衛隊の人も精一杯で、だれもが悪いわけではないが、
彩のマリを呼ぶ声が突き刺さる、追いかけてくるマリ・・
マリを助けに山を越えようと無理をする兄と妹、追いかける父。
それぞれの助けたいという思いと、震災の状況で、無理をできないという思いはつらい。震災という理不尽は、誰にも責任がないだけに気持ちの行き場がない。
一時帰宅、一家で一人というが、船越は役所の担当だから、もう一人行っていい、という自衛隊の高嶋。そして、彩を指名する。すると、兄を生かせるために、他の家の人が次でいいと譲ってくれる。みんな、マリが希望であり、マリを見つけてきたほしかったのでしょう。
震災では、なにが希望になるかわからない、一本松・何十時間振りの救助・震災の日に生まれた赤ちゃんなど。マリも希望だ、新聞に載っていたマリを救助してほしい、そんな思いがそのやりとりにあって、ぐっときました。
マリを助けたときは、子犬はそんなでもないが、マリはやせ細っていたということでした。
震災はほんと2度となくていい(実際にはあるけれども、せめて大きいのがこないでほしい)
生きること・家族を守ること・周りと協力することの大切さは、人間だけでなくマリからも教えられた作品でした。
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