🎬「Ｍｏｍｍｙ　マミー」(２０１４年・カナダ)評価・あらすじ～結末

映画「Ｍｏｍｍｙ　マミー」

主演・出演　アンヌ・ドルヴァル　アントワーヌ・オリヴィエ・パイロン　スザンヌ・クレマン

内容・賞など　カンヌ国際映画祭審査員賞、画面比は1:1の正方形で上映。(携帯で録画したような)プライベートな表現様式。

あらすじ・結末

ダイアンは多動性症候群ADHDをもつ息子スティーヴが施設で放火をしたため、引き取って2人で生活を始める。が、仕事をクビになったり、スティーヴの不安定な行動に苦戦し、やむを得ず怪我を負わしててまう。そのとき、向かいの家に住むカイラと出会う。

カイラもスティーブの世話をする生活が始まり、スティーヴが勉強が楽しくなったりと順調な３人だったが、放火事件の高額な治療費を請求される書面が届く。ダイアンは近所の弁護士に頼もうとしたが、スティーブの暴力行動で失敗し、裁判での勝利は難しくなった。

ある日、車で出かけスティーヴを強制入院のため係員のところへ。強引にスティーブは病院に連行された。
カイラは引っ越しで去った。スティーヴは拘束具を解かれると病院内で外に向かって走り出したところで終わる。

感想(良いところ・残念なところ・なんともいえないところ)

良いところ、プラスポイント

・法と人生

・音楽が印象的

・父の言葉

・家族への愛

・青空と音楽と道路とカートと息子

・隣人

・久しぶりの外出

・大切な音楽とダンス

・それぞれの命の尊さ

・一緒に住む大切さ

・隣人の失語症も一時直る

・勉強もできるように

・お祝い

・サプライズ

・３人の写真(携帯で自撮り、パッケージにもなっている)

・就職決まる

・友人と死ぬほど笑う

・きちんと謝る

・勉強が好きになる

・スケボーと道路と音楽

・「自由だ」

・道路と車、家から離れて小さくなっていく

・人生はそれぞれ

残念なところ

・クビ

なんともいえないところ

・放火、事故

・発達障害

・差別

・殺されかける病気

・盗んだものをプレゼントされたと勘違い

・父が亡くなり、病状の悪化が進む

・切れた息子に完全に切れるお世話してくれる隣人

・失禁

・２５万ドルの訴状

・楽しむ母と冷めた様子の息子

・デュエット中にキレた息子

・キレた息子にキレる母、裁判の可能性もダメになる

・買い物中にリストカット

・血だらけで息子を抱える二人

・新しい車

・雨の中、息子の卒業・結婚式の夢

・車を止めトイレに行くと３人の男が拘束に

・「行きたくない」と叫ぶ息子と感情の行き所のない母

・隣人の引っ越し話に妙なテンションで明るい母

・腕と手を拘束されて電話してくる息子

・入院は希望

・母の涙

・走り出すスティーブと音楽

まとめ

「印象的な空と道路と音楽と息子の姿」

場面場面での空の青さにセリフなしの音楽に道路と息子の動きと表情。それは家の前、スーパーの駐車場、帰り道、車の前、雨の道路、最後の車が向こうへ進んでいく道路。その都度、現れる風景は、物語の展開・心情を言葉以上に表現するものであった。また、正方形で切り取られた映像が、まさにホームビデオや携帯で撮ったように身近にリアルさを増していると感じた。

どこかの犯罪者が、生きる価値がない人を殺したと言ったが、いきる価値のない人はいない。その人の考えや思いはその人の中にあり、そして、共有・共感できる存在がいる。たとえ、言葉が通じなくても、意思疎通が見た目ではわからなくても、家族や隣人、仲間にはわかる。それは他人が決めることではなく、本人と大切な人がわかることなのだ。

生きる価値、それは全員が等しく持っているもの。

評価　Ｄ　５０点　

母の愛、病気とは、考えさせられる作品。そして、どんな人でも、幸せと生きる価値があるとあらためて感じることができた。